こんちわ、おいさんだよ。
キミは鎮守の森を守ったことはあるかい?
鎮守の森?
あの神社にある森のこと?
ポポポ!
そうじゃ。仕事の合間に散歩をしていると新緑の5月は歩いていて非常に気持ち良い。
近所の神社には大きな木が生い茂っていて、思わずいつもそこを歩いてしまう。
見上げると高いご神木が鬱蒼と茂っている。これが鎮守の森よ。
そうすると、ああいいなぁ!って思わず鎮守の森を仰ぎ見てしまうだろう?
そうかあ?またいつもの森だなって通り過ぎちまうけどな。
この不届き者がっ!
今回はそんなお前みたいなヤツに「瓦礫を活かす森の防波堤―植樹による復興プランが日本を救う!」で鎮守の森の素晴らしさを叩き込んでやるわ!
前回まではこちら
新たな時代の戦争の道徳とは?という話(*´ω`*)
瓦礫を活かす森の防波堤
森が好きである。
子供の頃から近所に森(林?)があるので幾度と無く鎮守の森がある風景には親しんできた。
保育園にいた頃は近所の森によくどんぐりなんか拾いに行ったりしたものである。
そんな森がわしの家の近所にはまだたくさんあって、
今でもなにかと季節を感じさせてくれたりするのだが、いまやそれが世界規模でなくなりつつある。
もちろん、日本も例外ではない。
『増補新版 瓦礫を活かす森の防波堤』はそんな地球環境に警鐘を鳴らす本である。しかし、ただそれだけではない。
今までにも環境問題を啓発する本は世にたくさんあった。
古くはレイチェル・カーソンの『沈黙の春』などもその類だろう。
しかし、そういった「環境問題を扱った本」というのは内容が難しく、またいざ実践しようにもわしら一般人には全く不可能なことが書かれていたりするものである。
だが、本書は誰でもできる「ほんものの森」を植えることを提唱しているのだ。
ほんものの森を植えよう!
その土地本来の植生による「ほんものの森」は、東日本大地震による津波に負けず生き残った。
その防災力に着目した著者は、震災直後に、瓦礫を利用した長大な森の防波堤を築くことを提言。
この逆転の復興プランは、その後次第に官民の理解を得始めている…!
愛する者を守るために木を植えよ。
今こそ危機をチャンスに変え、瓦礫を利用して、東日本大震災の被災地に9000年続く、世界に誇る南北300キロメートルのいのちの森をつくり、今後も襲う大災害に耐えて発展できる復興のシンボルとする―4000万本の木を植えてきた著者が示す、逆転の発想による震災復興プラン。
愛する者を守るために木を植える。
…なかなか壮大なプロジェクトである。
では「ほんものの森」とは一体どんなものか?
ここでその具体的な方法を本書から抜粋してみよう。
- 震災によって出た大量の瓦礫。その利用可能なものと、毒と分解不能なものとを分別した、それを以外の土の混ざった木質がれき、レンガ、コンクリートの破片などは、全てをエコロジカルにもっとも有効な地球資源として活用する。(大事なことは根群は呼吸しているという点である。深根性の樹種群の根は、土中に十分に酸素があれば、我々の実験でも土中深く4〜6mまで入る。コンクリートなどがれきも人の頭くらいに割れば、根群が抱くので強風・津波などでも容易に抜けない。土が堅くしまっていたり、また地中に水がたまると根が入れない。がれきと土を混ぜることによって、すき間ができ、土中の酸素が維持でき、森の生長を確実にする)
- 穴を掘って発生土とがれきをしっかり混ぜながら、その土地本来の常緑広葉樹(タブノキ・スダジイ・シラカシ・ウラジロガシ・アカガシなどを主木とする)の根群の充満したポット苗などの苗木を植える通気性のよいマウンド(植樹地)を作る。マウンドの幅は10m以上(できれば50〜100m、可能なところはそれ以上。マウンドの幅が広いほど。高さが高いほど、防災機能は倍加する)そこに根群の充満した、樹高30cm足らずの常緑広葉樹の苗を混植、密植する。
- その苗木は15年〜20年で多層群落の森に生長し、最終的には高さ20m、条件がよければ30m近く伸びて、安定度の高い多層群落の柔構造で堅固な「森の防波堤」になる。今後も必ず襲うあらゆる自然災害、大きな津波に対しての破砕効果も高くなる。
- 植樹当初の30cmの苗木は乾燥重量300gぐらいだが、生長して2トンになるとすると、その半分の1トンはカーボン=地球温暖化の元凶といわれる炭素を吸収、林内に固定。いろいろな樹種を混植するので生物多様性の維持にも役立つ。CO2削減、温暖化抑制にも役立つ。
- こうしてできた「森の防波堤」は、環境保全林や地域の観光資源となり、さらに80年から100年で超高木に生長したタブノキ、シイ、カシ類などをていねいに択伐して、焼かない、捨てないで家具や建築材として活用すれば、経済効果も十分に見込める。林内に後継樹がひしめいているので、直ちに生育して、その空間をうめる。したがってスギ、ヒノキの客員樹種の単色林と異なり、防災・環境保全機能は、皆伐・破壊しない限り次の氷河期まで9000年は、地球経済と共生した、いのちの森として継続する。
すごいな、9000年も続くんだ(゜o゜;
なぜタブノキやシイ、カシ類の常緑広葉樹が防災力があるのか?
宮脇昭教授は言う。
それは、地中に深く根を張って、護岸の役割を果たし、たとえ地上部が伐採されても根本から萌芽、株立ちして再生するためで、かつ、冬でも常緑で水を含んでいるために四季を通して再生萌芽し、火災林の役割を果たすからだ。
昔の日本人は、常緑広葉樹が持つこのような火防林や防災林としての働きを、経験的に知っていたのである。
こうした木々が「森の防波堤」として地域を守る存在になるのである。
しかし近年、そんな「鎮守の森」も、世界規模で年々減りつつあるという。
環境考古学者の安田喜憲氏は、アメリカ大陸にあった原始の森は、家畜の民であるアングロサクソンが入植してからわずか300年で80%以上が破壊され、かつては森の国であった中国も、漢民族の爆発的拡大の中で徹底的に破壊され、今や森は国土のわずか10%前後を占めるに過ぎないと指摘している。
え!なんてこった!もう80%も木々が減っているんだ。
なんとこの国々では現在あと20%以下しか森が残ってないという!(゜o゜;
鎮守の森の正体
それでは日本はどうかというと、
日本は稲作が導入されて、過去二千数百年の間に開発された水田は、国土の10%にも満たず、およそ70%程度は今日なおいわゆる森に包まれたままである。
そうした常緑広葉樹を日本人は「鎮守の森」と呼んでいた。
よく考えてみれば確かに神社の周りには多くが森に囲まれている。
それは単に景観保護のために植えられていたのでなく、代々、森が様々な戦火や災害から人を守ってくれるから木々を大切に、神様を祀って森を守ってきたのである。
そうか、わしの大好きな神社は、長い間静かにずっと日本人を見守り続けてきたのか…
今こそ!防災の為に、そして地球環境の為に「鎮守の森」を植えていかなければならない!
本書を読んでいたら、わしも大好きな神社仏閣のためにも「鎮守の森」を是非植えてみたくなった。
昨今、地球規模で起こっている異常気象や森林破壊、温暖化などを食い止めるため、この本を読んで「鎮守の森」のことをもっと深く知り、是非みんなで協力して「ほんものの森」を植えていこう!
もし、アナタの周りで植樹祭などが行なわれていたら、参加してみてはいかがだろう?