うう〜〜〜ん・・・
どうしたんだよ?
そんな難しいそうな顔して。
いやあ〜これはなんだろうと思って・・・
なんでしゅか
なに聞いているの?
ポポポ?
うむ。わしが大好きなBECKの「ハイパースペース」というアルバムを聞いているのじゃ。
ウ~ン、なんか変わったEDMだな。
2017年にリリースされた前作「Colors」に引き続いてBECKは未だ世の中のトレンドEDM路線で行くみたいなんだけど、今作は前作みたいなアップテンポな感じの曲は少なめなんだよね。
それでは今回はそんな「ハイパースペース」の魅力について語ってみるぞ!
懐かしのレトロ感満載?でもそれがいい!
「ハイパースペース」は第61回グラミー賞で「最優秀オルタナティヴアルバム賞」と「最優秀アルバム技術賞(ノンクラシカル部門)」の2つを受賞し、『カラーズ』以来となる通算14作目のオリジナルアルバム。
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SF的なアルバム・タイトルは1979年アタリ製のビデオ・ゲーム『アステロイド』からインスパイアされたという。
どんなゲームでしゅか?
しらん。わしやったことない。
どうせファミコンのレトロゲーだろ?
ファミコンではなくアメリカではNES(ニンテンドー・エンターテイメント・システム)な。
わぁってるよっ!
でも残念ながらこのゲームはファミコンではなくアーケード版で発売されていたようじゃ。
ちなみにこんなゲーム↓
うわっ!おもんなっ!
なんだこのクソゲー!
まあ昔のゲームだからしょうがないっちゃしょうがないけどね。
これがアメリカでは当時大ヒットしたんだって。
本作はそれ以外にも様々なゲストともに競作したおもしろいアルバムなのじゃ。
わしの好きな曲はこれ↓
曲の後半では懐かしいレトロゲームのピコピコ音がサンプリングされていて、なんかファミコンサウンドみたいで懐かしいw
戦犯はファレル?!でもそれがいい!
アルバムの4曲目に入っている「Die Waiting」なんかもいいよねw
何回も聞き返しているとしっくり来る名曲が多いのが今作の特徴になっている。
その他にも本作は数々の豪華ゲストとともに共作した楽曲も多く、中でも11曲中7曲がファレル・ウィリアムスとの共作/共同プロデュースと、ほぼファレルとのコラボ・アルバムと言っていい制作態勢となっている。
「ふぁれる・うぃりあむず」って誰でしゅか?
これじゃ。
ああ、これか。
聞いたことあるぜw
なんだか楽しい曲でしゅw
日本では車のCMに使われてるから聞いたことのある人も多くいるはずじゃ。
わしはどちらかっていうとブルーノ・マーズみたいなのが好きなんだけど・・・
なんか最近はアメリカってこういうノリのいいシンガーがたくさん出ているよな。
確かにあんまりロックンロールという感じじゃないな。
このファレル・ウィリアムスのおかげか柔らかめの曲が多い感じがする。
全体の印象というと、タイトルチューンの「ハイパースペース」はなんか自己啓発本についているヒーリングミュージックみたいな曲で、聞いていて負担はないけど、それだけパンチもないといったぼんやりとした印象じゃ。
前作のパンチの聞いたEDMの音楽が無理やり踊らせるノリのいい楽曲だとすると、こちらはスローテンポでダンスフロアでゆったりと踊らせるような類の音楽。
人によっては奇妙奇怪であまり受け付けないかもしれないが、それでも時間を置いてまた聞き出すと、いろんな音がたくさん混ざり合ってかなり複雑な音作りをしているのを感じ取れるはずだ。
こうしたところはさすがBECKと言ったところ。
中でも個人的に聞き所はコールドプレイのクリス・マーティンが歌っている「ストラトスフィア」という曲。
録音もキレイなのでとても聞きやすく、持ち味の透明感は今作も健在で、やっぱりBECKっていいなという安心感を今作もリスナーに与えてくれる良作である。
Spotifyのプレイリストを載せておくので興味のある方はご視聴ください。
アルバムジャケットに日本車が!
さて、話はアルバムジャケットの方に移ろう。
印象的なのはやっぱりそのジャケ写に写っている謎の赤い車。
これは80年代に人気を誇った日本車「トヨタ・セリカ」という旧車で、なんとなく昭和感が漂っているw
そのほかにもレトロなカタカナロゴが登場する“日本オリエンテッド”なジャケットアートワークはなんとも昭和な既視感が半端ないのだが、これはBECKなりの日本に対するリスペクト?なのか単に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の日本にすり寄っているのか謎である。
わし、最初これを見た時、ハチロクかと思ったよ。
おお。
「頭文字D」の藤原拓海の愛車かと思ったぜ。
でもよく見るとハチロクではないんじゃよ。
セリカなんてはじめて聞いたよ。
さらに詳しく
という車なんだって。
なんとなくわかったような、
わからなかったような・・・
とにかくこのアルバムは随所に日本のリスナーを楽しませるアートワークや、懐かしのレトロ音を現代のサンプリング技術とEDMのメロディーなどで現代風にアレンジした楽曲が数多く存在していて、往来のBECKファンを楽しませる仕組みが満載の良作であることは間違いない。
BECK初心者にはハードルが高いかもしれないが、不思議な音世界が好きな人は一聴余地ありだろう。